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    『豆腐小僧』 概要
        2012年9月末日をもちまして閉店させていただきました。 永のご愛顧ありがとうございました。     



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丑三つ時
2012 / 01 / 06 ( Fri )
息が白くなる季節になると
思い出す

真っ白い鬼が北の国からやってきた

鬼は、有無を言わさず私を切り開き
真っ赤に流れる血潮を一滴持ち去った

鬼は、それから間もなく北の国へ立ち去ったが
乱暴に切られた胸からじくじくと血がにじむ

時折のぞきに来ているらしいのだが、
あの日以来鬼は姿を見せてはくれない

持ち去った一滴の血は、鬼の中でどうなったのだろう

私の胸はいつまでも傷が癒えず、じくじくと血が滲む

春の日差しに癒されて、ようやく傷が癒えたかと思えば
こんな雪の日はいつの間にか胸の傷が開いている

小さなオレンジ色の蛇を腕に絡ませ、
のそのそともがく亀を掌でもてあそび

ずっと遠くに行ってしまったまま

私の血はまだ赤いのだろうか
鬼の腹でゆるりと温めているのだろうか

傷は一生癒えることはない
鬼の笑い声もささやきも聞こえなくなったというのに

一滴の血が足りなくなったばかりで、
私の一部が欠けてしまった
規則正しく役立たずな血を流し続けているというのに


鬼は、容易く私を切り開き
たった一滴の血だけ持ち去った

北の空から、白い冷たい雪が降り始めると
困ったような、つまらなそうなそんな気配が舞い降りてくる

胸を斬られたとき、私は拒んだだろうか
血を盗まれたとき、私は憎んだろうか

そして、二度と現れることがなくなったとき・・・・

私は、許さなかっただろうか


忘れてしまいそうになっているのに、雪が邪魔をする
忘れたら・・・

空から、白い冷たい鬼の手が、
小さなオレンジ色の蛇がからみついた
大きな腕が・・・

のそりと動く亀を載せた掌で・・・


早く連れ去ってしまえば良いのに



私の血は、雪を解かすほどまだ熱い






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